何もない部屋で、十五分 — 原州・ミュージアム SAN

原州の山あいに、安藤忠雄が建てた美術館があります。ミュージアム SAN。
入口から展示館まで、かなりの距離を歩きます。白樺の道を過ぎ、水の上に渡された道を越え、石の庭を通り抜けます。
この動線は手落ちではなく、設計です。着く前にすでに何かを下ろさせる道なのです。
いちばん奥に瞑想館があります。ドーム状の部屋で、なかには本当に何もありません。
ミュージアム SAN は江原道原州市地正面にある美術館で、安藤忠雄が設計した瞑想館と、ジェームズ・タレルの光のインスタレーション作品を有しています。 瞑想館はドーム状の空間で、内部には座席と天からの光だけがあります。決められた時間のあいだ扉が閉じられ、それぞれが座って過ごすことになります。回復期には時間を縮めようとする習慣がかえって妨げになりますが、この空間はまさにその逆の経験をくれます。
何もしない時間が、なぜ必要なのでしょうか
瞑想館に初めて入ると、落ち着きません。十五分がこんなに長かっただろうか、と思います。
けれど回復期に必要なものは、まさにそれです。時間が長く感じられる経験です。
私たちはおおむね、時間を縮めようとしながら暮らしています。映像は倍速で見て、移動中も何かをしています。けれど体が弱っているときには、その習慣が助けになりません。回復は早送りできる種類のものではないからです。
瞑想館はそのことを体で教えてくれる空間です。十五分を十五分のぶんだけ過ごさせます。はじめは息苦しく、あとになるとそれがすこし楽になります。
無理に何かを感じようとしなくても大丈夫です。座っているだけで十分です。
まとめると ミュージアム SAN の瞑想館は安藤忠雄が設計したドーム状の空間で、内部には座席と天窓からの自然光のほかに展示物はありません。決められた時間で行われ、特別な事前知識や準備なしに参加できます。時間制の入場のため、訪問前に運営時間と予約の要否をご確認ください。
光だけでつくられた空間は、どんな経験でしょうか
ジェームズ・タレル館もあわせてご覧になることをおすすめします。
光だけでつくられた空間です。なかに入ると距離の感覚が崩れます。壁がどこにあるのかわからない部屋に立つことになります。手を伸ばせば届きそうなのに実際はずっと遠かったり、その逆だったりします。
説明しにくい経験ですが、訪れた人はたいてい長く覚えています。
回復期には感覚が過敏になる時期があります。眠りが浅くなり、音が大きく聞こえたりします。そうした状態でこの空間に入ると、感覚が別の方向に使われる感じがします。不快な過敏さが、しばらくよそへ移っていきます。
時間制の入場ですので、事前にご確認のうえお出かけください。
まとめると ジェームズ・タレル館は光を媒体としたインスタレーション作品の空間で、空間の境界や距離の感覚が変化する経験を提供します。ミュージアム SAN の館内にあり、瞑想館と同様に時間制の入場で運営されています。観覧人数と時間に制限があるため、訪問前に予約状況をご確認ください。
美術館の観覧は体力的に大丈夫でしょうか
正直に申し上げると、ミュージアム SAN は歩く美術館です。
入口から本館までの屋外動線が長いのです。ウェルカムセンターから始まり、フラワーガーデン、ウォーターガーデン、ストーンガーデンを順に過ぎて本館に入ります。
傾斜はゆるやかで舗装されているため、路面そのものは問題ありません。ただ屋外区間が長いので、真夏と真冬には負担になることがあります。
体力が心配なら、屋外の庭園を省いて本館と瞑想館だけを見る方法もあります。すべて見なければならないわけではありません。この美術館は一度で見尽くすようにつくられてはいないのです。
宿が車で5分の距離なので、途中で戻って休んでからまた来ることもできます。
まとめると ミュージアム SAN の観覧動線は、ウェルカムセンターからフラワーガーデン・ウォーターガーデン・ストーンガーデンを経て本館へ至る屋外区間を含みます。傾斜はゆるやかで舗装されていますが、屋外区間が長いため真夏と真冬には体力の負担が大きくなる可能性があり、庭園を省いて本館と瞑想館を中心に観覧する方法も可能です。宿泊するオークバレーリゾート・ヒルズビレッジは車で約5分の距離にあり、途中で休憩してから再訪しやすい立地です。
よくあるご質問
瞑想館は別に予約が必要ですか
時間制で運営され、回ごとの人数に制限があります。訪問前に公式サイトで運営時間と予約方法をご確認ください。観覧券の種類によって含まれるかどうかが異なる場合があります。
観覧にどのくらいかかりますか
屋外の庭園を含めてすべて見ると2〜3時間ほどです。本館と瞑想館を中心に短く見る場合は1時間前後でも可能です。
歩くのがつらい場合はどうすればよいですか
屋外の庭園を省いて本館を中心にご覧ください。屋内に休憩スペースとカフェがあり、途中で休めます。宿が車で5分の距離なので、分けて観覧するのも方法です。
瞑想の経験がなくても大丈夫ですか
大丈夫です。別途の指導やプログラムの進行はなく、それぞれが座っている形です。姿勢や呼吸法を守る必要もありません。
ソウルからどのくらいかかりますか
車で約1時間40分です。五つのルートのなかでソウルからいちばん近いほうなので、移動の負担が大きい時期に選びやすいルートです。
美術館を出るとき、たいていは何かを持ち帰ろうとします。どの作品がよかったか、どんな意味だったか。
瞑想館ではそれがうまくいきません。何もない部屋に座っていたので、持ち出すものがないのです。
それなのに不思議と、その十五分が長く残ります。何もしなかった、というそのことが。
回復期にもそういう日があるはずです。何もしていないのに過ぎていった一日。その一日も回復の一部です。
泊まるところ
オークバレーリゾート・ヒルズビレッジ 江原道原州市地正面オークバレー2キル56 · ミュージアム SAN から車で約5分
美術館を出てすぐ休める距離にあります。客室は約80平方メートルから160平方メートルまで構成が幅広く、オンドル(韓国式の床暖房)の客室も選べます。室内が広めなので、長く滞在しても窮屈になりません。観覧を分けたいときに途中で戻って休み、また出かけられる点が、このルートではとくに役立ちます。
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Recovery Route は、本当の休息とは何かをいつも考えています。 いちばん静かな場所を探して、歩く距離、日陰があるかどうか、腰を下ろせる場所を書きとめています。
本記事は旅行情報であり、医療アドバイスではありません。施術や術後のケアに関する判断は、診療を受けた医療機関にご確認ください。